肩関節のページ(医療関係者向け)

凍結肩と聞いて、可動域制限が伴って“硬くなった肩”と想像する人は多いことと思います。しかし、ISOKASの定義において現在は肩関節周囲炎、いわゆる五十肩を凍結肩といい、可動域制限があれば拘縮肩と定義づけられています。すなわち、凍結肩は痛み出した時から可動域制限が生じている時期まで全ての時期を示しながら、凍結肩に拘縮肩が包括されています。これは世界基準のFrozen shoulderに基づいた定義であり、2021年に報告された論文からも肩関節学会を中心に用語の統一が図られました。

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凍結肩(肩関節周囲炎、いわゆる五十肩)

凍結肩は2期に分けると考えやすくなります

従来までの肩関節周囲炎、いわゆる五十肩は炎症期・拘縮期・回復期と分類されていました。当然、それぞれの時期に適切な治療を検討しなければなりませんが、それでは、拘縮期・回復期はそれぞれ何をするのでしょうか。

 

おそらく、明確な答えは出ないと思います。これは、拘縮期は回復期も包括し、炎症と拘縮(関節の制限がある)は肩の状態であり、回復は過程だからです。このため、肩関節周囲炎いわゆる五十肩は単純に炎症期・拘縮期と考えることが正しく、自ずと治療方針が単純化します。

 

炎症期:安静、注射、炎症管理、患部外対応(肩甲骨や胸椎の柔軟性向上)

拘縮期:肩甲上腕関節の可動域改善、患部外対応(肩甲骨や胸椎の柔軟性向上)

炎症期の対応

■インフォームドコンセント(IC)の重要性

いつ来院しているかが重要です。まず、疼痛がでて早期またはきっかけが思い当たり肩痛が出現してから4週間以内については炎症が起こっているか否かの判断も重要ですが、安静にすることが重要です(肩関節の安静の仕方は後述します)。その際にICで重要なことは、2か月後を目途にラグがあり、拘縮が生じる可能性です。そのICをしなかった場合、以下のようなことが生じます

・リハビリテーションをしているのに経過が悪化する

・具体的には関節可動域障害・拘縮が出現し、ADLに支障が生じる

以上のことは患者としては、リハビリテーションをしているのに悪化していることから、理学療法士への信頼がなくなるきっかけとなり、その後の治療がうまくいきません。

 

早期に来院した患者は2通りに分かれることを理解し、そのリスク管理をしておくことが

1)早期に改善する患者

2)拘縮にいたる患者

 

このため、ICではどちらになるか経過をみないとわからないことを必ず行います。残念ながら、悪化する原因はわかってはおりませんが、いくつが要因を想像できるものがありますが、現在データを収集・解析を進めています。